小さい背中
10年間一緒に仕事を共にしたある人物がいる。
ある人物というか、俺様の直属の上司だ。
残念ながら上司だが一度も尊敬をした事はない。
経験も資格も有し、外見からみれば立派な人物だ。
ただ俺様はその人物を「人」として尊敬出来なかった。
ただ公私共々俺様だけは可愛がっては頂いた、それには感謝はしている。
18歳の世間を知らない青尻時代からその人物の背中を10年間見てきた。
しつこいようだが、「尊敬」はしていない、でも俺様の中では当時からとても大きな背中だった。
10年目見続け、その人物の背中を見るのを辞めた。
お互い別々の道を歩み、そして7年の月日が流れた。
そして不意に数日前再会した。
残念ながら俺様の知る「大きな背中」は見る影も無かった。
俺様自身お世話になった。咄嗟に駆け寄り挨拶をした。
だがその人物は俺様を見るなり、ビターな顔つきに変貌し、軽く会釈だけをし、逃げる様に立ち去った。
悲しい事に、その背中が凄く小さく見えた。
本当に小さかった。
強者が弱者に変貌してしまった姿を目の当たりにした瞬間だ。
尊敬はしていなかったが、その姿、無性に辛くなった。いや、切なくなったという表現か。
何故かは解らない。
ただ辛かった。
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